イケナイコト | らぶげっちゅ。

イケナイコト

前回までのお話→



あぁ。

 

ホントに意味わかんないよ。

 

 

さっきまであんなに笑顔でしゃべってたのに。

 

 

耳元で内緒話。

 

フフッて笑って。

 

 

 

  

そんな幸せも、一瞬で崩れる。

 

  

 

 

でも、彼の気持ちはわかった。

 

気を使ってしゃべってくれてたんだね?

ありがとう。。。

 

 

きっと戻ってこないんだろーな、って思いながら、何事も無かったように姉さんやボーカルとバカな話をし続け、自分の気持ちに整理をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまぁ~(*^o^)ノシ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっ?

 

 

 

帰ってきた!? (;´Д`)

 

 

 

 

 

 

「ん~、詰めて詰めて~(>_<)」

 

「あ、うんうん。おかえり~♪(滝汗)」

 

 

 

 

 

 

しかもゴキゲン!? 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

マジで意っ味わかんねーよ!!!ヽ(`Д´)ノ

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ。

  

テーブルの上に前使っていた(るるすけが知っている)携帯電話を置くMタン。

 

 

ほえ?

どういう事?

 

 

会話はさっきまでの続き。空気も元通り。

ニコニコしながらしゃべる君。

 

 

・・・あぁ、なるほど。

「(前の)携帯をちゃんと使ってますよ」ってアピールか!

 

確かに、これならメアドも電話番号も変えてない。

(だってこれは電源切りっぱで、違う携帯メインで使ってるんだもんね)

 

確かに、嘘はついてないね。

 

でも、逆から言えば、新しい方の番号を教える気は無い。

もっと言うと、新しい携帯の存在すら認めない。

 

そういう意味だよね?

 

 

うーん、びみょー!!!

微妙過ぎる!

 

お前は何がしたいんだ~!ヽ(`Д´)ノ

 

 

ちょっとびっくりしてる姐さんやN嬢を尻目に、ゴキゲンな彼はしゃべり続けている。

そうこうしてるうちにも時間は過ぎて、もうすぐ打ち上げもおしまい。。

 

 

「あ、もう終わる?ちょっとメンバー席行ってくるね~♪」

 

「うん、いってらっしゃ~い」

 

 

・・・って、えー!? ∑(´Д`;)

携帯置きっぱ!?!?!?

 

 

 

・・・・・。

 

 

 

るる「姐さん、ワタクシ今から悪い事をしま~す!('A`)ノシ」

 

姐さん「ん?」

 

るる「ちょっと携帯拝見させて頂きます( ;´人`)Mタンor他のメンバー、ローディーが帰ってくるか見張ってて!?」

 

姐さん「おう!わかった!」

 

 

あぁ、、、るるすけは悪い子です。

よそ様の携帯電話を覗き見したのなんて人生初です。。

 

わかってる、石を投げられてもおかしくない事やってるのはわかってるよー!

 

 

 

 

・・・・でも、、、どうしても、知りたかった。

 

 

「携帯替えました~♪新しい番号は○○○○~だよo(^o^)o」

 

 

こんなメールを、、、誰かに送ってたら?

 

私には来てないこんな連絡を、誰かに入れてたら?

 

 

 

 

ドキドキしながら携帯を開く。

 

イライラしながら押すボタン。

どこがどの機能なんだかわからないよ!

 

慣れていない機種だって事以上に、震えてボタンを押せない。

 

 

ようやく見えたリダイヤル。

 

一番古いモノは、[2/12 16:52 るるすけ]。

 

 

へ?

たった20件のリダイアルに、バレンタインの時の番号が残ってるの?

番号変えたりしたら、色んな人にかけまくるよね?

 

 

肩透かしを食らったような気分になりながら、続きを見る。

 

 

送信メール。

 

一番新しいモノは、[3/10 るるすけ]。

 

 

あ、お寿司の時のメールだ!

これが最後のメールなの!?!?

何で?

その前のメールも何日かおきにポツッ、ポツッと送信してあるだけ。

本当にメール不精なんだなー。。(-.-;)

 

しかし、これじゃー「番号変えたよ♪」っていうお知らせは、新しい携帯の方から送ったんだろうなー。。。

 

 

受信メール。

一番新しいモノは、3/15の日付で女の子からのものだった。

 

 

なるほど、この後電源切りっぱにしたんだな。

 

 

新しい方から1~2ページ見ていく。

3~5日おきくらいにしか入っていない受信メール。

 

 

えー、全然メール来てないじゃん。

 

 

知らない女の子の名前が数人。

でも、どの子も1ヶ月に数件ってレベル。

 

 

んー、すっごい意外!

もっといっぱい女居ると思ってたのに!

 

 

姐さん「んっ!ちょっと!」

 

るる「戻ってきた!?(;´Д`)」

 

姐さん「違う。けど、もう皆帰り支度してるからそろそろヤバイかも。。?」

 

るる「了解!ここまでにしときます」

 

 

携帯を元通り置いた後、皆何事も無かったかのように普段通りの会話をする。

もちろん、自分も。

でも膝の上に置いた手は、まだ震え続けていて。。

置きっぱなしにしていた携帯とタバコを取りに来た彼の顔も、まともに見る事はできなかった。

 

 

 

 

2次会はいつものI氏のバイトしてるお店。

そういう話を聞いて、先に店に向かう。

 

あ、今日は曜日が違うからI氏は居ないけどね。

 

せまいお店なので、出演者すら全員は入れない。

だから、、二手に分かれたのかな?

さっき居た人間の半分くらいしか来てなかった。。

 

一瞬Mタンは来ないのかと思ったけれど、K氏のバンドのボーカルを捕まえて、ちゃっかり「Mタンが来る」事だけは聞いていた姐さんはさすが(笑)

しかも、これだけMタンの事を聞き出しているにも関わらず、全く不信感を感じていないボーカルの神経の太さもさすが(笑)

 

 

何せ狭いので、メンバー席から遠くに座って、N嬢やマスターとボチボチしゃべりながら時間をつぶす。

奥でMタンがK氏や先輩達としゃべっているのが見える。

 

「トイレとかで席から立った時に捕まえないとな~」

 

そんな事を考えながらボウッとしていると、Mタンが携帯を取り出すのが目に入る。

もちろん新しい方の携帯。

 

先輩と電話番号交換かー。。

バッチリ見えてるぞー。ちょっとは考えろよー!

 

心の中で毒づきながら(苦笑)、何も見ていないかのように私はN嬢と話し続ける。

それだけでも充分楽しいのに、何故か軽く苛立っているのは屈託無く笑う彼が見えるせいなのか、それとも、飲んでも飲んでも回らないアルコールのせいなのか。。

 

 

 

 

時間と共に、1人、2人と、徐々に人数が減っていく。

皆まるで「トイレにでも行ったのかな?」といったさり気無さで帰って行くのが面白い。

 

 

・・・と、そんな時、Mタンが周りの先輩達に挨拶。

 

 

え?帰るの!?

 

 

捕まえなきゃ。

 

捕まえて。。。。。。。。。

 

「新しい方の携帯も教えて?」って言わなきゃ。

 

 

 

 

さっきまであんなに暇で暇でしょうがなかったのに。

早く終われって思ってたのに。

 

実際に勝負時が目の前に迫ってくると、逃げたくて逃げたくて。。。

急激に血の気が引いていく。

指先が凍るように冷たい。

 

 

Mタンが自分の後ろを通り過ぎて行く。

 

帰る時すら何も言ってくれないの?

 

反射的に携帯だけ持って彼を追う。

 

 

相変わらず歩くのが速い彼。

ほんの一瞬躊躇してる間に、扉の外に消えて行った。

 

 

 

 

ヤバイ!もうエレベーター乗っちゃった!?

大急ぎで狭い通路をすり抜けて扉を開ける。

 

 

 

 

・・・と、店のすぐ前でK氏と話す彼が居た。

 

 

Mタン「・・・俺店の場所マジで知らないんだよねー」

 

K氏「××屋だろ?だから、横の道を右に曲がって1本入ったあたりに~。。。」

 

Mタン「えー、わからん!」

 

 

「どっか行くの!?!?」

 

 

・・・多分すっごい必死な形相だったんじゃないだろうか?

「引き留めなくては!」という気持ちだけが自分を動かし、脊髄反射で話題に割り込む。

 

 

Mタン「んー?L氏が違う居酒屋に居るっちゅーから、そっちにも顔出そうかなーと思ってさ。でも俺店の場所知らなくて」

 

K氏「だーかーらー!」

 

るる「××屋!?あたし場所わかるよ!?案内するよ!!!」

 

 

間髪入れずに答えた私のあまりのイキオイに、K氏もMタンも一瞬固まった(笑)

 

 

あ、失敗した!?

 

しゃしゃり過ぎ!?

 

まー、しゃしゃり過ぎなのは事実なんだけど(苦笑)

「何でMタンを私が追っかけて来たのか」とか、K氏はすごい不審に思ってるはずだ。

でも、もうなりふり構っていられない。

周りにどれだけ「必死だな」と思われようが、後々自分の立場が微妙になろうが、口と行動に出さなきゃしたい事もされたい事も相手に伝わらないのだ。

 

向こうだって嫌なら嫌って言うだろ!?

大人なんだからさ!(-∧-)

 

 

・・・そんな逆ギレという名の自己弁護を心の中で繰り広げる。

 

 

K氏「おう!じゃーちょうど良いやん?案内してもらいー?」

 

 

拍子抜けするぐらいアッケラカンと言い出すK氏。

 

でもわかるよ。

 

一瞬心の中で、私とMタンがどういう関係なのか、

私が何をしたいのか、

それをやめさせた方が(Mタン、るるすけ、どちらにとっても)良いのか、悪いのか。。。

 

そんな事を考えてたのが、コンマ何秒だけど顔に出てたよ。Kさん(笑)

 

 

良かった。

一応私はK氏のおめがねに適ったらしい。。

 

 

一瞬の間があって、Mタンも「おう!じゃーお願い」と言った。

 

 

るる「うん!じゃーちょっと待ってて?お財布とか取ってくるー」

 

Mタン「ほい」

 

 

かつてないくらいのダッシュで店の中に戻り、姐さんやN嬢に「××屋にL氏とか居て、Mタンそっち行くんだって!場所わかんないって言うから無理矢理案内してくる!!!」と言い放ち、携帯と財布だけ持って。。。。。

 

・・・・いや、私は案内だけしてまたこの店に帰ってくるのか?

そんなの嫌じゃない?

 

姐さん「全部持ってけ?」

 

よし、Mタンが嫌がらない限り、××屋に私も居座ろう。

呼ばれてないけど。

限りなくお邪魔な存在だけど。

 

 

っつー事で、荷物を全部持って、N嬢に「がんばれ!」と耳打ちされながら店を出る。

 

 

Mタンはもうエレベーターの前に居て、「お待たせ」って言った私が荷物を全部持ってきた事に驚きつつも、笑顔で返してくれる。

 

 

・・・と、エレベーターに乗る瞬間、K氏がトイレへ続くドアから顔を出して「M~?その子のストッキングは破ってもOKだから~♪」と、問題発言。

 

 

うぁああああ!バカ!K氏のバカ!!!ヽ(`Д´)ノ

 

確かに打ち上げでキミタチにストッキング破られましたよ!!!

※変な意味じゃないっす。「伝線しちゃった」って言ったら「どうせなら破らせて?」ってなったっちゅう、酒の席での出来事です。

でもそういう事バラすなよ~~~!!!!!!!

すげー(Mタンが今思ってるよりも)軽い女だと思われるやんか~!!!!!!!

つか、下手したらファックかと思われるやんか!!!!!!

 

 

マジで涙が出るかと思った。。。

 

 

・・・んですけど。

間髪入れずに答えたMタンの「知ってる~♪」の一言に、より衝撃を受けて目の前が真っ暗になった。

 

 

「知ってる」って何だお前!?

おめー破った事ねーだろ!!!((((((;゚A゚))))))

 

・・・って、違う違う。

そーじゃなくて。

そーじゃなくて、君の中で私はそういう存在なんですね。ハハ_| ̄|○

 

 

 

打ちのめされながらも、エレベーターの中でとりとめの無い会話。

 

 

 

新しい携帯の話題は、、、いつ切り出せば良い?

 

今?

××屋に着いたら?

 

 

 

今、彼の隣に居られる幸せと、その幸せを壊すかもしれない話題をいつ出すべきかという不安。

 

振り子みたいに揺れる心。

 

 

 

どうしよう?

 

 

 

 

そんな迷いを、

 

 

 

 

 

打ち消すように、

 

 

 

 

 

 

彼は私の手を繋いで。。。。

 

 

-続く-